裁判を起こすには訴状を裁判所に提出する必要があります。
訴状の記載内容については書籍やウェブサイトを参考にしていただくとして、
訴状ができあがったあとの手続きについて説明していきます。
※東京地裁の通常訴訟事件の場合。
まず、訴状を最低3通用意します。
内訳は
1.正本:裁判所用。
2.副本:相手方、つまり被告用。人数分必要です。被告が2人いるなら2通。
3.自分用の控え。訴状以外でも、裁判所や被告に出す書面は必ずコピーを取っておきます。
次に必要なのが印紙と郵券ですので、まず印紙について説明します。
単純に印紙と呼ばれることが多いと思いますが、収入印紙のことです。
手数料と書かれている場合もあります。
つまり、手数料を現金ではなく、印紙で納めるということですね。
印紙は訴状に貼る必要があるのですが、受付に持っていって、
書記官に確認してもらうまでは貼らないほうがいいです!
訴状に何か記載ミスがあった場合に、訂正印で全部直すことになったり、
そもそも根本的な間違いがあったら…。
確認後、書記官からおそらく「印紙貼ってください」「印紙ありますか?」と言ってもらえると思うので、そのときに貼れば大丈夫です。
(参考 裁判所ホームページ 手数料)
ちなみに、印紙ってどんなものかご存知でしょうか。
私は印紙について全く知識がなかったので、
小切手みたいなしっかりしたものだと思っていました…。
はじめて訴状の提出に行ったときに、先輩が全て揃えて持たせてくれていたのに、
受付で印紙を探し回りました。
あんな切手と見間違えるようなものだったとは(;´A`)
(参考 ウィキペディア 収入印紙)
最後に、郵券についてです。予納郵券という場合もあります。
要するに切手です。
普通郵便を出す際に貼る、80円切手や50円切手と同じ切手なのですが、
なぜか郵券と呼ばれています。
被告に訴状や書面などを送る場合も、原告に判決を送る場合にも
切手が必要になるので、これを予め渡して(=予納して)おきます。
そのため、当事者の人数が1人増えるごとに2,080円プラスになります。
(但し、代理人がついている場合は代理人に書面が郵送されるので、
たとえば被告が2人いても同じ代理人がついていれば1人分の郵券で済みます。)
東京地裁の通常訴訟で、原告も被告も1人ずつの場合は6,000円分必要です。
6,400円と書いてあるサイトもあると思うのですが、
平成23年4月から変更になっていますのでご注意ください。
6,000円分あれば何でもいいという訳ではなく、下記の通り、内訳が決まっています。
500円×8
200円×3
100円×5
80円×5
50円×4
20円×10
10円×10
2,080円分追加する場合の内訳は
500円×4
20円×4
です。
(参考 裁判所ホームページ 訴訟事件における郵便切手の予納額について)
東京地方裁判所の地下の郵便局では、セットになって売られているので
それを購入すると便利です。
関連記事(裁判の流れ)
→訴えて最初に出会うもの:事件番号、事件記録符号
→法廷は意外と地味…:書面のやり取り、送受領書
法律事務所に勤務してまだ1か月。ままったくの未経験の為、このブログがとても分かりやすくて、本当に感謝です。
返信削除昨日、初めて申立の書類の準備をしたのですが、言われるがままコピー等して裁判所へもっていったので、何が必要でというのがよくわかっていません。本を見ると添付書類に資格証明書、戸籍とそのほかいろいろ書いてあるのですが、昨日の一式にはないものもあって、結局何をそろえるのかわかってません。もしよろしければ、その点、教えていただけますか?
何せ、この事務所、私一人で、誰も聞ける人がいません。
面接時に未経験でも大丈夫と言われたのですが、まったく無謀でした。