2012年5月31日木曜日

雑談:裁判の数え方

裁判は「~審」という風に呼ぶことがあります。


地裁             第一審
控訴
高裁          控訴審、第二審
上告
最高裁(今ここ)  上告審、当審


この呼び方は絶対的なものでわかりやすいのですが、
一方で「原審」という相対的な呼び方もあります。
原審というのは1つ前の審理を指すので、


地裁             原審
控訴
高裁(今ここ)     控訴審、第二審、当審

となるのですが、上告になると


地裁             原々審
控訴
高裁          原審
上告
最高裁(今ここ)  上告審、当審


となります。

この2つの呼び方が混じって
「第一審は勝って、原審は負けてるから、どうなるかなー」
(⇒今は上告中、控訴で負け、最初の裁判では勝ったということ)
なんてことになると、ややこしいです。




2012年5月29日火曜日

裁判は続くよ…控訴の仕方(民事裁判)

法律事務所での訴訟案件では、簡裁案件はほとんどないので
地裁→高裁に控訴する際の手続きについてです。

2012年5月23日水曜日

雑談:裁判所、検察庁…どうやって入ればいいの?(法律事務所職員向け)

法律事務所で働いていると、いろいろな場所に行くことがあります。
私が今まで行ったことのある場所を、入る難度(入り口でのチェックの厳しさ)つきで書いてみます。
初めて入るところだと挙動不審になってしまったりするので、心構えにでもなれば嬉しいです。


雑談:法律事務所で働けば弁護士と結婚できるか

法律事務所で働いていると言うと、高確率で返ってくる反応が
「じゃあ弁護士と結婚できるじゃん!」
「弁護士紹介してよ!」
…です。

正直、前者には内心「結婚相手探しに行ってるんじゃねぇ仕事しに行ってるんだよ」とイラッとします。

実際どうなのかというと、無くはないです。
ただ、あまり周りからの印象はよくないみたいですね…。
弁護士は「職員に手を出した」と言われますし、事務職員は「弁護士捕まえた」みたいな言われ方したのを聞いたことがあります。

ですので、弁護士と結婚するのを一番の目標にして、法律事務所に勤務されるのはおすすめできません。
自分は薄給で働きながら、弁護士の奥さんが優雅な生活しているのを間近で見続ける…なんてことにもなりかねませんし。

むしろ、弁護士と結婚したいなら、法学部かロースクール(法科大学院)に入るべきだと思います。
弁護士になる前から捕まえておくってことですね。
特にロースクールは、人数があまり多くない+顔を合わせる機会が多い+忙しすぎて外の人と会うことが少ない、と色々な条件が重なって恋に落ちることが結構あると聞きます。
同じ目標に向かってがんばれるパートナーって素敵ですしね。

2012年5月22日火曜日

もしものために知っておきたい「破産」の知識

「破産」という手続きをご存知でしょうか。
借金に関する手続きなのですが…なんとなく恐そうな響きの言葉ですよね。
自分には関係のないことだという方がほとんどだと思いますが、
この不景気です。
もしもの時のために、破産についての知識は持っておくべきだと思います。


雑談:検事と弁護士は犬猿の仲!?

刑事事件で主張を戦わせることになる検事と弁護士。
どちらかが主役のフィクションだと、一方がものすごく悪者に描かれていることもありますよね。
しかし、現実ではそこまで仲が悪い訳ではないようです。


2012年5月21日月曜日

雑談:「HERO」はなんのドラマでしょうか?

木村拓哉と松たか子が出ていた、ドラマ「HERO」。
連ドラ放送から随分後にスペシャルドラマが作られるぐらい、人気がありました。

このドラマてすが、何の話かと聞かれたら、どうやって説明しますか?
「検察官」のドラマか、「検事」のドラマか。

2012年5月17日木曜日

覚えておいて損は無い!内容証明郵便の書き方

裁判になる前の事件だと、内容証明郵便を出すことがよくあります。
そもそも、内容証明とは郵便物の内容文書について、
いつ、いかなる内容のものを誰から誰へあてて差し出したかということを、
差出人が作成した謄本によって」日本郵便が証明してくれる制度のことです。
(参考 日本郵便 内容証明とは、どのような制度ですか?


確定日付(確定日附)として認められるため、後で時系列が問題になりそうな場合はもちろん、
大事そうな内容はとりあえず内容証明にして送っておくことが多いです。
(参考 民法施行法 第5条6


普段の生活でも、たとえばクーリングオフをする際には
内容証明で通知を通知を送る事が推奨されています。


しかし、この内容証明が中々複雑なんです…。

2012年5月16日水曜日

雑談:間違えやすい用語


「事件」:普段の生活で使う場合は刑事の事件を指します(たとえば障害事件など)が、
裁判上は民事も家事も「〜事件」という名前がつきます。

「被告」・「被告人」:前者が民事で訴えられた人、後者が刑事で訴えられた人です。
テレビ等で、後者を「被告」といっていることもあるのですが…。
ちなみに、刑事で訴えられることを起訴といいますが、民事では言いません。

思い出したら追加していきます。

2012年5月15日火曜日

必要書類を集めよう:登記簿の取得方法

法的な手続きには登記事項証明書が必要なことがよくあります。

雑談:法律事務所職員に求められる能力

法律事務所、弁護士によって事務職員の仕事が全く異なることは以前お話ししたとおりです。
→雑談:法律事務所職員について
そうなると、当然に事務職員に求められる能力というのも事務所毎に違ってきます。
ですので、一概には言えないのですが、私の考えを書いてみます。


2012年5月11日金曜日

2012年5月10日木曜日

500円の切手なんてどこで使うの?:予納郵券は現金納付できる

訴状を提出する際には、郵券の予納が必要です。
(→訴状を提出しよう:印紙と郵券

郵送に使う分を予め渡しておくという目的のものなので、
事件が終了後に返還してもらえます。

雑談:法律の現場で働く法曹以外の人間

法曹(法曹三者)といえば、裁判官・検察官・弁護士です。
しかし、裁判等に関わっている人間は法曹だけではありません(当たり前ですが)。

2012年5月9日水曜日

雑談:こいつ、できる…!な弁護士の呼び方

弁護士って何て呼べばいいか迷いませんか?

依頼者の方だと、
〜様、〜さん
が多いように感じます。
それに「弁護士の」がついたり。
消費者金融など、会社から来た書類では
弁護士 〜様、弁護士 〜殿
あたりが普通かなぁと思います。

正解という訳ではないですが、弁護士の中では
〜先生
と呼ぶことが一般的です。

たまにお手紙で
弁護士〜先生様
と書いてくださる方もいらっしゃいますが、先生までで大丈夫ですよー!という気持ちでいっぱいになります(笑)

あとは「行」を消して敬称に直す場合も、先生とします。

とりあえず口頭でも署名でも、弁護士を先生と呼んでおけば、わかってる感が出せる…かもしないですね。

2012年5月8日火曜日

ものすごく簡易な(民事)裁判の流れ

一般的な裁判の流れについて、簡単にまとめてみます。


原告が訴訟提起

被告に訴状が送達される

口頭弁論 おそらく1~2回程度
(一般的にイメージする裁判。
公開された法廷で行う。)

弁論準備手続 長い裁判だと20回ぐらいあることも…
(法廷で行わない。
それぞれの主張を整理していく。)

この後は再び口頭弁論期日があったり、
和解期日があったりします。
判決や和解で終了です。

2012年5月7日月曜日

書面を送る:直送ってなに?

訴状は、裁判所から相手方へ、特別送達という方法で送られます。

特別送達というのは書留のようなもので、
宛名人または家族や使用者などの受領サインが必要なものです。
このため、郵券の予納が必要になるということは以前お話しした通りです。
(→訴状を提出しよう:印紙と郵券

しかし、裁判所と相手方に書面を送る際に使う送受領書というものもあります。
(→法廷は意外と地味…:書面のやり取り、送受領書
これは一体どういうことでしょうか。


雑談:法律事務所にかかってくる電話

どんな仕事でも、電話を掛けたり受けたりすることは多いと思います。
もちろん、法律事務所にもいろいろなところから電話が掛かってきます。


2012年5月1日火曜日

雑談?:突然弁護士から電話がかかってきたら…

「○○様の携帯電話でよろしいでしょうか。
私、△△さんの弁護人になりました弁護士の●●と申します。
実は、昨日△△さんが逮捕されてしまいまして、
被害者の方と示談するためにお金を用意して頂けないでしょうか。…」

突然こんな電話が掛かってきたら、どう思いますか?

まず詐欺を疑うべきかと思いますが、 本物の弁護士が突然電話することもあります。 

法的情報収集に便利なサイト5

仕事でよく確認する、便利なページを紹介します。


1.裁判所ホームページ http://www.courts.go.jp/
各地の裁判所の所在地や管轄、手数料、簡単な手続き案内が載っています。
裁判所や部によってはかなり詳細な情報が書かれている場合もあるので、
わからないことがあったら「各地の裁判所」から管轄の裁判所を探し、
「裁判手続きを利用する方へ」を確認してみましょう。
たとえば、東京地裁民事9部(保全部)では仮差押の申立書や記載例もあります。
http://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/minzi_section09/hozen_ziken_mousitate/index.html


2.裁判所判例Watch http://kanz.jp/hanrei/
裁判所のホームページでも判例は見られるのですが、
こちらのサイトではPDFだけでなくHTMLやテキストでも読むことができます。
参照数週間トップ10や、最近のつぶやき(Twitter)で注目判例が簡単にわかるのも便利です。


3.日本弁護士連合会 弁護士検索 http://www.nichibenren.or.jp/bar_search/
「日本弁護士連合会に現在登録されているすべての弁護士を検索することができます。」とのこと。
登録番号や氏名、読み仮名、性別、事務所所在地、連絡先などを確認できます。


4.登記情報提供サービス http://www1.touki.or.jp/
不動産や法人の登記内容を今すぐ確認したいときに、インターネット上で
登記情報を確認できるサービスです(有料)。
事前登録・クレジットカードの登録が必要です。
正式なものではないので、裁判では使えないと思っておいたほうが無難です。


5.登記ねっと 供託ねっと http://www.touki-kyoutaku-net.moj.go.jp/
裁判に証拠や資格証明として提出できる登記事項証明書が必要ならこちら。
わざわざ法務局まで行かなくてもインターネット上で請求でき、
郵送で登記事項証明書を郵送してくれます。
請求先を最寄の法務局にすると2~3日程度で届きます。
事前登録が必要です(有料)。
ただし、手数料は法務局で申請するよりも安くなっています。
登記事項証明書を申請するのは「かんたん証明書請求」ですので、
ソフトのダウンロードは必要ありません。

4と5については、利用時間が
月曜日から金曜日の8時30分から21時まで
※国民の祝日・休日,12月29日から1月3日までは休止
となっているようなのでお気をつけ下さい。

2012年4月26日木曜日

訴状を提出しよう:印紙と郵券

裁判を起こすには訴状を裁判所に提出する必要があります。
訴状の記載内容については書籍やウェブサイトを参考にしていただくとして、
訴状ができあがったあとの手続きについて説明していきます。
※東京地裁の通常訴訟事件の場合。

法廷は意外と地味…:書面のやり取り、送受領書

裁判というと、証人がいて、尋問して…というイメージだと思います。
しかし、実際には(特に民事だと)裁判はあっという間に終わることが多いようです。
証人尋問でもない限り、10分程度で終わったり…。

裁判は口頭審理が原則なのですが、主張は書面で行うというのが実務上は原則のようです。
そのため、書面をやり取りすることが多くなります。
その際に使うのが送受領書です。
そのまま、送信書と受領書を合体させたものです。

雑談:法律事務所職員について

このブログでは法律事務所職員または事務職員という書き方で統一しようと思っていますが、
法律事務所で働いている人の呼び方は色々とあるようです。

2012年4月23日月曜日

雑談:弁護士のドラマ

今期も弁護士を題材にしたリーガル・ハイというドラマがありますね。
(参考 リーガル・ハイ-フジテレビ

法廷が出てくるドラマで、よく弁護人や検事が証言台の周りを
うろうろ歩き回るというシーンがあると思うのですが、
実際の法廷ではまだ一度も見かけたことがありません。
移動するのは、証人尋問の際、証人に証拠を示すときぐらいしか…。

ただ、刑事事件の尋問は、ドラマのようなシーンが時々あります。
「~したのではないですか?」
「…」
「異議があります。誤導です。」
「では質問を変えます。」
のような。

弁護士や法廷の出てくるドラマや映画を見て
「あるある!」
「こんなの無いよ!」
と思えるのも、法律事務所職員の楽しみかもしれないです。

裁判実務は書記官に訊け:LIBRA


東京弁護士会が発行しているLIBRAという冊子があります。
東京弁護士会所属の弁護士に毎月送られてくるのですが、
インターネット上でも見ることができます。

このLIBRAの「東京地裁書記官に訊く」シリーズが、
詳細な手続きについて書いてあって勉強になります。
窓口は何時頃なら比較的空いている、など
とても助かりますね。
但し、発行年が2009~2010年と、ちょっと古い情報ですので
その点はご注意ください。

2012年4月21日土曜日

雑談:よく使われる法律用語?の略称

仕事上、もしくは学部で勉強していたときによく使われる略称まとめです。
思い出したら時々追加すると思います。



最高裁判所:最高裁(さいこうさい)
地方裁判所:地裁(ちさい)
家庭裁判所:家裁(かさい)
簡易裁判所:簡裁(かんさい)

地方検察庁:地検(ちけん)
区検察庁:区検(くけん)
検察官:P

社会保険労務士:社労士(しゃろうし)
行政書士:行書(ぎょうしょ)

民事訴訟法:民訴(みんそ)
刑事訴訟法:刑訴(けいそ)
知的財産法:知財(ちざい)

弁護士法23条の2に基づく照会:弁護士会照会
東京弁護士会:東弁
第一東京弁護士会:一弁
第二東京弁護士会:二弁
日本弁護士連合会:日弁連

2012年4月19日木曜日

訴えて最初に出会うもの:事件番号、事件記録符号

誰かが裁判所に訴えを提起すると、裁判がはじまります。
そのときにつけられるのが事件番号です。

具体的には
平成2X年(ワ)第9999号 のような感じになります。

最初の平成2X年は、もちろん訴えた年です。
今年中に訴状を提出すると、平成24年がつきます。

その次の(ワ)というのは事件記録符号というらしいです。
(裁判所では単純に符号と読んでいる場合も。)
事件の種類・係属裁判所によって違い、これを見ただけでどのような事件なのかわかるという中々便利なもの。
ちなみに(ワ)は地方裁判所の通常訴訟、(フ)は破産事件です。
あとは(行ウ)=行政事件の通常訴訟、(家ホ)=家庭裁判所の訴訟事件のように、前に漢字がつく場合もあります。
裁判所に提出する書類にはほとんど全て事件番号を書くことになりますし、問い合わせをする際も必ず必要になってくる大切なものです。



関連記事
訴状を提出しよう:印紙と郵券

基礎だけど知っておきたい!裁判所の支部って?

このブログについて&注意点」で、裁判所ごとに手続きの運用が異なることがあると書きました。
地方裁判所と簡易裁判所のように種類が違う場合はもちろん、
同じ都道府県にある地方裁判所同士でも全く別の運用だったりします。


そして、違うのは運用だけじゃないんです。
事件番号も裁判所ごとに違います。(→事件番号、事件記号について
例えば、東京都には、東京地方裁判所と東京地方裁判所立川支部があります。
事件番号はそれぞれの裁判所でつけるので、
東京地方裁判所平成2X年(ワ)第123号と、東京地方裁判所立川支部平成2X年(ワ)第123号は
全くの別事件ということになります。
初めて問い合わせをする時など、うっかりしていると関係ない裁判所に電話してしまったりすることもありうるわけで、
ちょっと気をつけておく必要があるかもしれないです。

このブログについて&注意点

このブログは、法律事務所で働く事務職員が、仕事について書いているブログです。
法律事務所で働いている方・働きたいと思っている方や、本人訴訟をされる方など、
少しでも参考になるようなことをお伝えできればと思っています。

但し、以下の点には十分ご注意ください。
・特に記載のない限り、裁判の手続きは東京地方裁判所での運用です。
裁判所によって運用が全く異なることが多々ありますので、
最終的には管轄の裁判所に問い合わせされることをおすすめします。
・筆者は法律事務所で働いている職員であって、弁護士ではないので、
法律相談にはお答えできませんのでご了承ください。
・出来る限り正確な情報を提供できるように努めますが、変更になっている・間違っている可能性もあります。
あくまで参考程度に留めていただけると幸いです。